現代社会において、商品購入の際、アフターサービスやアフターフォローが充実している企業を選ぶことは、もはや一般的な傾向と言えるでしょう。
不具合への対応、質問への回答、そして時にはクレーム処理まで、手厚いアフターサービスは顧客満足度を高める重要な要素です。「買って終わり」ではなく、購入後も顧客との良好な関係を継続し、再購入に繋げるための取り組みは、企業にとって不可欠なものとなっています。
この考え方は、お寺と門徒、そして僧侶とご遺族の関係においても同様に当てはまります。ご遺族やご家族に寄り添うことは、僧侶の重要な役割の一つです。
言うまでもなく、僧侶の務めはご葬儀やご法事といった儀式を執り行うだけで完結するものではありません。儀式後も継続的に関係性を維持し、ご遺族の心情に配慮しながら、今後の手続きや仏事について丁寧に説明していく必要があります。
ご葬儀後の継続的なサポート
ご葬儀は、予期せず突然訪れる場合も多く、喪主の方をはじめご家族は非常に慌ただしい状況に置かれます。葬儀の準備や各種手続きに加え、親族への連絡など、対応すべき事柄は多岐にわたります。そのため、葬儀中は深い悲しみと忙しさの中で、冷静に物事を考えられないのは当然のことと言えるでしょう。
ご葬儀の際、喪主の方と控室でお話させていただく際には、できる限り簡潔かつ分かりやすく説明するよう心がけています。なぜなら、その時の喪主の方は、非常に慌ただしく、私たちの言葉がなかなか頭に入ってこないことが多いからです。深い悲しみと目まぐるしい忙しさが同時に押し寄せ、上の空の状態になってしまうことも少なくありません。
当寺では、そのような状況を考慮し、まずは今後の流れをまとめた分かりやすい資料をお渡しし、後日落ち着いてから目を通していただくようお願いしています。そして、改めてお電話やご来寺いただいた際に、詳細なご案内やご提案をさせていただいております。
ご葬儀中は慌ただしさの中で考えが及ばなかった事柄も、 時間の経過とともに心が落ち着いてくると、今後のことや仏事に関して様々な疑問が生じてくるものです。当寺では、そのようなタイミングでご遺族の声に耳を傾け、丁寧な説明を心がけています。
ご遺族の声に耳を傾ける
お寺や僧侶がご葬儀やご法事の儀式を執り行うことは、非常に重要な役割です。しかし、儀式が終わればそれで終わり、というわけではありません。
ご葬儀後であれば、先述の通り、ご遺族や喪主の方の声にしっかりと耳を傾け、忌明法要や納骨といった今後の流れ、そしてその準備についてご案内します。ご法事であれば、次回は何年後に何回忌を迎えるのか、今後の仏事に関するご案内を行います。
このようなご案内やご提案を積み重ねていくことで、皆様の疑問や不安を取り除くことができると考えております。
近年では、インターネット検索を通じて事前に情報を収集される方も増えてきました。しかし、インターネット上の情報は必ずしも具体的でなかったり、地域ごとの風習を反映していない場合も少なくありません。そのような場合には、直接ご縁のあるお寺や僧侶にご相談いただくのが、最も確実でスムーズな解決策となります。
そのため、お寺や僧侶側も、皆様にとって気軽に相談しやすい環境を整えておくことが重要です。当寺では、電話だけでなく、メール、SNS、オンラインなど、多様な窓口を設けております。電話での相談に抵抗がある方にも、安心してご連絡いただけるよう配慮しています。
まとめ
当寺では、「気軽に質問や相談ができるお寺」を目指しています。
インターネットで事前に調べることも有効ですが、まずは当寺にご連絡いただければ、それぞれの状況に合わせて、的確かつ丁寧にご説明させていただきます。「メールで相談したのに、なかなか返信がない」といったことのないよう、迅速なレスポンスを心がけております。
お寺や僧侶にとって、儀式の執行は重要な務めであると同時に、儀式後のご遺族に寄り添うことこそ、より大切な役割であると考えています。そのためには、まず現場で皆様の声やお気持ちを丁寧に聴き、受け止めること、それこそが本当の「教化」の始まりであると信じています。