お寺が最低限やっておきたいネット対策
現代において、インターネットで検索してもお寺の情報が出てこないということは、「存在しない」のと同じと言っても過言ではありません。
多くの方がインターネットを通じてお寺を探す時代です。もし、インターネットを活用してお寺のことを知ってもらいたいとお考えなら、最低限行うべき対策があります。
ここでは、ホームページの作成が難しい寺院や、手軽にネット対策を始めたい寺院に向けて、その対策をお伝えします。
Googleビジネスプロフィールへの登録
最初に行うべきは、お寺をGoogleビジネスプロフィールに登録することです。ビジネスプロフィールに登録することで、Googleマップに表示されるようになり、檀家様や参拝者が寺院名を検索した際に、検索結果やマップ上に表示されるようになります。
このGoogleマップにお寺の情報が掲載されていないと、インターネットを使ってお寺を探すことは困難です。「近くのお寺」や地域名と寺院名で検索された際に、自分のお寺が検索結果に表示されないのは、現代においては大きな機会損失と言えるでしょう。
有名な寺院でない限り、「ここにうちのお寺があります」と積極的にアピールしなければ、人々にその存在を知ってもらうことは難しいのです。まずはGoogleビジネスプロフィールに登録し、お寺の存在を広く発信しましょう。登録は無料で行えます。ただし、これはあくまで最低限の対策です。より効果を高めるためには、さらに内容を充実させていく必要があります。
ビジネスプロフィールを充実させる
検索結果の右側に表示されるのがビジネスプロフィールです。ビジネスプロフィールには、様々なお寺の詳細情報を書き込んだり、写真などを掲載することができます。これは、皆様に「どんなお寺なのか」を知っていただくための重要な要素です。
このプロフィールを充実させることで、ホームページにも匹敵するほどの有益な情報を発信できます。まずは、基本情報の項目を丁寧に記述し、お寺の様子がわかる写真を登録することから始めましょう。単に登録するだけでなく、どのような文章を作成するのか、どのような写真を掲載するのかが重要です。
なぜなら、ビジネスプロフィールは検索結果で大きく表示され、お寺の顔となるからです。質の低い写真や見栄えの悪い写真の掲載は避けましょう。可能であれば、外観だけでなく、住職の顔写真や境内・堂宇の写真を掲載することで、より具体的にお寺の雰囲気を伝えることができます。
クチコミの重要性
当寺の事例では、Googleのクチコミを見てから法要や納骨のお申込みをされる方が一定数いらっしゃいます。多くの方の書いたクチコミは、非常に高い信用と信頼を得ています。
Amazonや楽天市場での買い物で、レビュー評価やクチコミを参考にするのと同じです。これからの時代、お寺も皆様に選ばれ、評価される存在となります。稀に、事実と異なるクチコミや悪意のあるクチコミが投稿されることもありますが、それも含めてのクチコミと捉えましょう。否定的なクチコミも、「どこに改善の余地があるのか」を真摯に受け止め、今後に活かせば良いのです。絶対に避けるべきなのは、自分にとって都合の悪いクチコミに対して感情的に反論したり、攻撃的な返信をすることです。
インターネットを活用する上での心構えとして、ある程度のスルースキル(受け流す力)は不可欠です。僧侶が感情的に怒っている姿は、良い印象を与えません。理不尽に感じるクチコミにも、冷静かつ丁寧に、誠意をもって対応しましょう。
最新情報を提供する
ビジネスプロフィールを充実させた後は、定期的に情報を発信することが望ましいです。ホームページと同様に、作成したら終わりではありません。常に最新の情報を提供し、「どんなお寺なのか」「どんなことができるお寺なのか」「どんな住職なのか」を意識して情報を更新していくことで、有益な情報としてGoogleからの評価も高まります。
Googleのアルゴリズムは、ユーザーにとって有益な情報を重視します。人々の役に立つ情報や、安心感を与えるための取り組みを発信することを心がけましょう。ただし、関連性の低い情報をむやみに発信するのは避けるべきです。
例えば、プライベートな話題や、限られた人にしか理解できない情報は、原則として不要です。最初のうちは判断が難しいかもしれませんが、情報発信を続けるうちに、お寺にとって有益な情報が何か自然と見分けられるようになります。
まとめ
私の経験上、Googleと良好な関係を築くことが、お寺の発展に繋がると考えています。ちなみに、Yahoo!の検索エンジンもGoogleのものを利用しているため、Googleへの対策はそのままYahoo!対策にもなります。
かつては葬儀社との連携が葬儀依頼に繋がることもありましたが、現代においてはGoogleとの連携がご縁を広げる時代になったと言えるでしょう。これは紛れもない事実です。
時代の変化は非常に速いですが、インターネットの世界に唯一の正解はありません。自ら試行錯誤し、何が適切なのかを見つけていくしかありません。私も日々、インターネットを通じて試行錯誤を重ね、様々なことに挑戦し、失敗しながら前に進んでいます。心が折れそうになることも何度もあります。
今後も積極的に新しいことに挑戦し、自分なりの最適解を見つけていきたいと考えています。