法要

真宗大谷派の初盆法要のお飾りとお供えについて

真宗大谷派の初盆法要のお飾りとお供え

毎年のことではありますが、お盆が近づくと「お盆のお飾りやお供え」についてのご質問が多く寄せられます。

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相談者

初盆法要は何を用意したらいいのでしょうか?

特に、大切な方を亡くされてから初めて迎えるお盆、いわゆる「初盆(はつぼん)」は、ご遺族にとって特別なものです。

「何を準備すればよいのだろう」「失礼があってはいけない」と、ご不安に感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、真宗大谷派の初盆におけるお飾りやお供えの考え方について、改めてお伝えいたします。

初盆だからと、特別な準備は必要ありません

まず、最も大切なことをお伝えします。真宗大谷派では、初盆だからといって特別なお飾りやお供えをしなければならない、という決まりごとは一切ありません。

なぜなら、お盆の行事も、故人を偲ぶ日常の仏事の延長にあると考えるからです。ですから、普段通りのお参りの姿が、何より尊いお盆の迎え方となります。

しかし、「そうは言っても、何かお気持ちとして整えたい」と思われる方もいらっしゃることでしょう。そのお気持ちもまた、大変尊いものです。

もし、お手持ちの物がある場合や、心を込めてお迎えしたいという方のために、当寺で推奨しているお飾りをご紹介します。

初盆のお仏壇のお飾り(もし、お気持ちとして整えたい場合)

あくまで「お手元にあれば」「お気持ちとして飾りたい」という場合におすすめするものです。新たに購入される必要はありません。

・打敷(うちしき)
・赤ローソク
・盆提灯

打敷(うちしき)

打敷とは三角形の敷物で、お仏壇の上卓(うわじょく)と前卓(まえじょく)にかけるのが一般的であります。現代風(家具調)のお仏壇には上卓や前卓がない場合もありますので、お手持ちの物があればお飾りください。

赤ローソク

年忌法要や初盆法要といった、大切な法要の際に灯すのが赤色のローソクです。もしお手元にあれば、この機会にお使いください。なければ、いつもお使いの白色のローソクで全く問題ありません。

盆提灯(ぼんちょうちん)

お盆の際に飾る盆提灯ですが、昔はお仏壇とセットで付いてきたと聞きます。もしお手持ちの盆提灯をお持ちでしたら、せっかくですのでお出ししてお飾りください。こちらも、当宗派では必須のものではありませんので、お持ちでなければご用意いただかなくて結構です。

初盆のお供えについて

お供えに関しても、正式な決まりはありません。極端なことを言えば、お供え物がなくても、手を合わせるお気持ちがあれば十分です。

もし、お気持ちとして何かお供えしたい場合は、お仏壇の周りの置ける場所に、果物やお菓子、故人がお好きだった物などを、少量お供えください。量や品数に決まりはありません。お皿に乗る程度で、心を込めてお供えしましょう。

もし迷われたら…これだけは整えたい基本のお飾り

「結局、何を用意すれば?」と迷われた方のために、当寺で推奨する基本の内容をまとめました。ご無理のない範囲でご準備ください。

・仏花
・ローソク(赤色がなければ白色で可)
・線香(お手持ちのもので可)
・お仏飯(ご本尊の前へ置く)
・(あれば)打敷
・(あれば)盆提灯
・(お気持ちで)お供え物

一番大切なことは、普段からご本尊に向かい、静かに手を合わせる習慣です。 初盆だからと気負わず、いつも通りの感謝の気持ちでお仏壇にお参りすること。それが、故人を偲び、仏さまの教えに触れる尊い時間となります。

最後に

真宗大谷派では、「こうしなければならない」という形式に縛られることはありません。しかし、「決まりがない」と言われると、かえって戸惑われるお気持ちもよく分かります。

今回ご紹介したのは、あくまで当寺としてのご提案です。宗派の教えは一つでも、お盆の風習は地域によって様々です。もしお付き合いのあるお寺様(菩提寺)がおありでしたら、直接お尋ねになるのが一番確実で安心です。

初盆は、故人が私たちに、改めて仏法に触れるご縁を繋いでくださる、またとない機会です。どうぞ、形にとらわれることなく、ご無理のない範囲で、故人を偲び、仏さまに手を合わせる、穏やかな時間をお過ごしください。

正蓮寺住職

当寺院の取り組みや住職の考えを発信してまいります。

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