日々皆様とのご縁を通じ、仏事というものが急速に変わりつつあることをひしひしと実感しております。
当寺の地域ではご葬儀の少人数化が進んでおり、通夜葬儀の二日葬から一日で葬儀を済ませる一日葬がわりと一般的になっております。
ご法要に関しても同じく少人数化が進んでおり、家族のみで行うことも大変多くなってきました。
昔は当たり前だったことが、今では珍しいということも多々あります。
そのため皆様のご要望やご意見を取り入れながらお寺も変わっていく必要があると感じております。
墓前年忌法要の導入
この度は新たに「墓前年忌法要」を新設しました。簡単に言いますと、お墓の前での法事になります。
お墓をお持ちの方になるのですが、例えばお墓の前で忌明法要やご納骨、一周忌法要などを行うケースです。
これまで法要はご自宅やお寺で行うのが一般的でありましたが、お墓をお持ちの方から「お墓で法事はできますか?」というご要望が年々増えてきております。
これまでにもお墓の前での法要は行っておりましたが、最近はその需要がどんどん高くなってきております。
ただお墓で法要を行うには、メリットとデメリットがあるためそのあたりをご理解いただいたうえでご検討いただけると幸いです。
墓前年忌法要のメリット
〇法要の際にお墓への納骨を希望される場合、自宅(お寺)からお墓への移動がないため、移動する手間や時間の節約に繋がります。
〇ご自宅にお仏壇を持たない(持てない)ケースも増えており、その場合の一つの候補場所としてお墓で行うことができる。
〇青空の下、自然の広々とした空間で気持ちの良い法要が行える。
墓前年忌法要のデメリット
〇当日の天候によっては、大雨や風の強い日もあります。また真夏や真冬は熱中症や風邪を引くリスクもあります。
〇墓前で立ったままでの読経となるため、高齢の方や足腰の不自由な方には辛いかもしれません。
〇他のお墓参りの方の迷惑になってしまうこともあるため、大人数での参列には不向き。
墓前年忌法要おすすめ対策
〇当日の天候は正直どうしようもありませんが、なるべく真夏や真冬を外した時期に行うことが望ましいと思います。もし真夏や真冬に行う場合は、熱中症対策や防寒対策をしっかり行うことをお勧めしております。
〇お墓は段差が多くて足元が悪いこともあるため、動きやすい服装でなるべく少人数での参列をお勧めしております。
〇読経時間は立ったままになるため20分程にしておりますが、多少は時間の配慮ができるため事前にご相談ください。
準備するもの
▷仏花(お墓にお供えする仏花をご用意ください)
▷ローソク・線香(雨や強風など当日の天候によっては使えない場合もあるため、その場合は使用しなくても構いません)
▷写真や位牌(基本的に不要ですが、もしお飾りされる場合は置ける場所へお飾りします)
▷ご遺骨(ご納骨をされる場合)
まとめ
これまで法要を行う場所は、自宅かお寺(法要会場)の二択であることがほとんどですが、そこへ「お墓」も加わることによってお墓をお持ちの方には選択肢が増えることになります。
「自宅はちょっと手狭だしお寺は遠いなぁ」とお悩みの方は、お墓も選択肢の一つとしてご検討いただけると思っております。
法要をどこで行うにしても、最終的には皆様の「お気持ち」や故人を偲ぶ「おこころ」が大切になってきます。
どこで法要を行うか迷っておられる方は、一度当寺までご相談いただければと思います。
皆様からご状況をお聞き取りして、皆様に合った最適なご提案ができればと考えております。