お寺にエアコンが必要な理由
今年は例年より早く梅雨明けを迎え、6月下旬から厳しい暑さが続いております。ここ名古屋でも連日35℃を超える日が珍しくなく、先日には40℃近くまで気温が上昇いたしました。
そのような状況の中、当寺では本堂や納骨堂前で法要を執り行う方が多くいらっしゃいます。幸いなことに、当寺ではエアコンを完備しているため、皆様には快適に法要にご参列いただいております。
以前は本堂にエアコンがなかったため、2016年頃に業務用大型エアコンを設置いたしました。今振り返ると、当時エアコンがない中でよく法要を行っていたものだと感じます。同時に、エアコンがない中お越しくださった方々には、大変申し訳ない思いでおります。
昔とは異なり、近年の暑さは尋常ではありません。これからの時代、お寺で法要を行う場合、エアコンの設置は不可欠であり、安全面からも必須であると考えます。
本堂はとにかく暑い
一般的に、お寺の本堂は天井が高く広々としており、昔ながらの木造建築が多いことから、涼しく快適な空間だと想像されがちです。なんとなく「お寺は涼しい」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
しかし、実際は想像をはるかに超える暑さです。特に近年は、生命の危険を感じるほどの暑さとなることもあります。これは当寺の建物に限ったことではなく、昔ながらの寺院建築を持つ他のお寺様からもよく耳にする声です。
お寺が暑くなる主な理由は以下の点が挙げられます。
・天井が高いゆえに熱がこもりやすい
・一度熱くなった空気は冷めにくい
・熱い空気が逃げにくい構造
お寺は、開放感を出すために天井を高く設計していることが多いのですが、それがかえって熱を溜め込みやすい原因となります。そして、一度熱くなってしまった空気はなかなか冷えることがありません。窓を開け放ち、扇風機を回しても、近年の異常な暑さには到底対応できません。
お参りの皆様も暑い
法要を行う場所にエアコンが設置されていないと、お参りに来られる皆様が過酷な暑さに晒されることになります。不快な思いをされた方は、今後お寺の利用を敬遠される可能性も考えられます。
快適な空間を求めるのは当然のことです。あまりの不快さに「こんなに暑いお寺はもう無理だ」と思われてしまえば、せっかくのご縁が途絶えてしまうかもしれません。それは、お寺の評判や信頼を損なうことにも繋がりかねない重要な問題です。
さらに、お寺には小さなお子様からご高齢の方まで、幅広い年齢層の方がいらっしゃいます。エアコンがない環境では、熱中症のリスクも高まります。
法要は短時間で終わるものではありません。お参りの皆様が暑さで集中力を欠いてしまっては、法要の意味が薄れてしまいます。
喪服を着ているとさらに暑い
法要に参列される際によく着用される喪服は黒色のため、熱を吸収しやすく、夏用であってもかなりの暑さを感じると思います。当寺では、参列される方に喪服の着用は必須ではない旨をお伝えし、「涼しい平服でお越しいただいて構いません」とご案内しております。
現在では、ご家族や親しい親族のみで法要を行うケースも多いため、皆様で事前にご相談の上、涼しい服装(華美でない普段着のアレンジ)でご参列いただくことも可能だと考えております。
服装を工夫することで、熱中症のリスクを軽減することができますし、何よりも皆様に快適な状態で法要に耳を傾けていただきたいと願っております。
僧侶も暑い
一般的に僧侶が着ている法衣(着物)は非常に暑いです。夏用の透けた素材の法衣で涼しそうに見られますが、実際はものすごく暑いです。見た目だけで涼しいと判断しないでいただきたいです。法務を終えて法衣を脱ぐと汗で重たくなっているくらいです。想像以上の発汗量です。
僧侶はお経をお上げする際にある程度の力で声を出すため、やはり体温は上昇して暑くなります。エアコンが効いていたとしても、お経が終わったときはもうほぼ汗だくです。エアコンは僧侶にとっても必須です。
皆様が暑いと思われる環境なら、僧侶も同じように暑いのであります。僧侶も人間です。
SNSでの皆様のお声
お寺はエアコン無し、熱風吹く中朦朧とお経をきいた
— naerinco (@mugabe_kun) June 25, 2022
今日礼服来たら地獄みた😇
お寺エアコンないし( ºωº )— べがす (@Crossfaith_) June 14, 2020
今日は四十九日の法要がお寺であったんだけど、エアコン付いてないお寺で、マスクして子供抱っこしてたら本気で暑すぎてぶっ倒れそうだったわ(›´÷`‹ )
子供めちゃめちゃ汗かいてたし💦💦
ガチで疲れた。
でも、もう毎朝のお膳を用意しなくていいからラクになる〜( ̄▽ ̄;)
あと、毎夕のお経も。。— シェル (@sakusaku_6) September 6, 2020
まとめ
これからのお寺にはエアコンの導入は必須だと思います。もはや、エアコンは贅沢品ではなく、参列者と僧侶の健康を守るための必需品です。もちろん設置費用は家庭用とは異なりそれなりに掛かりますが、この異常な暑さは命にも関わってくるくらいです。費用対効果を考えれば、導入する価値は十分にあります。
お寺の法要スペースへのエアコン導入は、寺院の改修や修繕の中で最優先に考えるべき事項であると思っております。早急な対応が求められます。
当寺では皆様の「便利・安心・快適」を心掛けており、「ここのお寺を利用して良かった」と思われるような取り組みに日々力を入れております。今後も、皆様にとって快適な空間を提供できるよう努めてまいります。