お寺で法要を行う方が多い理由
近年、当寺でお寺での法要を希望される方が増加傾向にあります。その背景にある理由を、当寺のデータに基づきご説明いたします。
約半数の方はお寺をご利用されます
当寺で葬儀(火葬式や一日葬を含む)を執り行った方のうち、約6~7割が四十九日法要をされています。そのうち、半数強(5~6割)の方が当寺で法要を営まれています。残りの方はご自宅での法要を選ばれることが多く、少数ですが葬儀会館を利用される方もいらっしゃいます。
特に土日祝日は法要のご依頼が集中しやすく、多い日には1日に最大4件の法要を承っております。これから初盆法要の時期を迎えることもあり、7月・8月の土日祝日のご予約は大変混み合っている状況です。
多くの方にお寺での法要を選んでいただいている現状を踏まえ、当寺では皆様がより快適に過ごせるよう、日々環境整備に努めております。
お寺を利用される主な理由
皆様がお寺での法要を選ばれる理由は多岐にわたると考えられます。
・ご自宅での準備や後片付けの負担
・ご自宅スペースの問題
・ご自宅の駐車スペースの制約
・ご自宅にお仏壇がない、または持たないという選択
・すでにお寺に納骨されている
上記以外にも理由は考えられますが、皆様から伺うご意見としては、これらの点が主な理由として挙げられます。
特に近年は、「ご自宅にお仏壇がない(お仏壇を持たない)」という方が増加傾向にあります。少子高齢化や核家族化が進む現代において、ご自宅にお仏壇を置けない、あるいは置かないというご家庭が増えていることは自然な流れと言えるでしょう。このようなお仏壇をお持ちでない方が、法要の場として主にお寺を選ばれています。
かつて「葬儀は自宅で行う」という慣習が一般的でしたが、現在では「葬儀は葬儀会館で行う」ことが主流となっています。同様に、「法要はお寺で行う」という形が徐々に浸透しつつあるのかもしれません。このような変化に対応するため、お寺の設備増強や環境改善は非常に重要な課題となっています。
当寺の本堂で行う法要には、お布施とは別に施設使用料として2万円を頂戴しております。以下に、その施設使用料の活用についてご説明いたします。
施設使用料の活用について
皆様から頂戴した施設使用料は、お寺の修繕費や維持管理費として活用させていただいております。近年では、2022年5月に納骨堂が完成したほか、2年前には階段昇降機を設置いたしました。
その他、玄関出入口のステップの改修や本堂の椅子の新調など、細かなものも含めると、ここ数年間だけでも多岐にわたる修繕や改善を行ってまいりました。このように、皆様からいただいた施設使用料は、お寺の維持と運営に役立てられています。
この好循環こそが、お寺が皆様に支えられている証であると言えるでしょう。皆様から頂戴する大切なお布施や施設使用料は、お寺をより快適にするための設備投資に充て、最終的に皆様へ還元できるよう努めることが、お寺のあるべき姿だと考えております。
そのため、当寺では大規模な改修や修繕の際にも、皆様からの特別なご寄付をお願いすることは基本的にありません。
今後の課題
現在、お寺での法要は主に私(住職)が対応しておりますが、件数が増加しており、私一人での対応には限界が見え始めています。特に1日に複数件の法要が重なると、声が嗄れ、十分な対応が難しくなる場面もございます。
そのため、法要の前半と後半で副住職と交代したり、副住職にすべてお任せするなど、状況に応じて柔軟に対応しております。お寺での法要のご依頼が大変多くなってきている現状を受け、法要スペースの不足という課題も生じております。今後、法要スペースの拡張も視野に入れ、検討を進めていきたいと考えております。
まとめ
近年、お寺で法要を執り行いたいというご希望が増加しており、当寺としても、皆様にとって「便利・安心・快適」な場所であるよう努めることは当然の責務であると考えております。
「ここのお寺は便利だね」「ここのお寺は快適だね」というお言葉をいただけることが、私たちにとって何よりの励みとなります。もちろん、一度きりのご縁も大切にいたしますが、再び当寺を選んでいただけることは、僧侶一同にとって大きな喜びです。
そのためにも、日頃から皆様の声に耳を傾け、ご不便やご不安な点を迅速に改善できるよう、これからも努力を続けてまいります。