寺院運営

当寺の所属僧侶に到着確認を徹底させている理由

到着確認の徹底

当寺院には、住職である私を含め6名の僧侶がおり、日々それぞれの専門性を活かして法務に携わっております。

所属する僧侶は皆、葬儀・法事・納骨など、あらゆる法務に対応できる熟練者です。そのため、私は彼らに安心して法務を任せることができ、住職一人では到底担いきれない寺院運営を支えてもらっていることに、日々感謝しております。

そのような信頼できる所属僧侶に、徹底してもらっていることがあります。それは、現地到着時の確認連絡です。

葬儀会館、ご自宅、お墓など、法務を行う場所に到着したら、必ず私(住職)へSNSを通じて到着の連絡を入れることを義務付けています。

当寺では、私が全スケジュールを一括管理しており、紙のスケジュール帳に加え、クラウドシステムを用いて全僧侶で情報を共有しています。「誰が、いつ、どこで、どのような法要を行うのか」を常に可視化することで、万が一の緊急事態やトラブルが発生した際には、別の僧侶が迅速にカバーできる体制を整えています。

遅刻厳禁

社会人として当然のことではありますが、皆様にご迷惑をおかけしないことが、この徹底した到着確認を行う最も大きな理由です。

特に葬儀の場合、ご遺族をはじめ、葬儀社の方、霊柩車や火葬場の方など、多くの関係者が連携して進行します。もし僧侶が遅刻してしまうと、連鎖的に多くの方にご迷惑をおかけしてしまうことになります。

ご自宅での法事においても、ご親族の皆様がお揃いでお待ちいただいている状況は同じです。

そのため、所属僧侶には常に時間に余裕を持った行動を心がけ、遅刻することのないよう指導しています。

具体的な到着時間の目安

当寺では、法務の種類に応じておおよその到着時間を定めています。

・葬儀会館での葬儀:開始時刻の30~45分前
・自宅での法事:開始時刻の20~30分前(お宅へお邪魔するのは開始時刻の10~15分前)
・お墓での納骨:開始時刻の20~30分前

これらの到着時間を目安とし、逆算して出発時間を決定しています。

出発前には、必ず渋滞情報アプリで交通状況を確認することも徹底しています。特にお通夜の時間帯である17時から19時頃は帰宅ラッシュで混み合うことが多いため、通常よりもさらに余裕を持った行動を指示しています。

万が一の事態への備え

当寺では、移動手段のほとんどが車であるため、渋滞や事故、予期せぬトラブルの発生も考慮に入れています。

渋滞については、これまでの運転経験や渋滞情報アプリなどを活用することで、ある程度予測し、回避することが可能です。しかし、どれだけ時間に余裕を持っていても、事故や予期せぬトラブルを完全に避けることはできません。

万が一、遅れてしまうと判断した場合は、まず先方へ速やかに連絡し、「遅れる理由」と「到着見込み時間」を正確に伝え、深くお詫びをするよう指導しています。

同時に、私(住職)へも状況を迅速に報告するよう義務付けています。報告を受けた私は、僧侶から逐一状況を確認し、必要に応じて先方への連絡を行います。僧侶が到着するまで、責任を持って全面的にバックアップいたします。

迅速な連携による緊急対応

もし私に連絡が入った際、何らかのトラブルにより到着が大幅に遅れると判断した場合、私は直ちに、その時点で予定が入っていない僧侶に連絡を取り、現場へ急行するよう指示します。もちろん、私自身が最も近い場所にいる場合は、私自身が向かいます。

予測不能なトラブルに見舞われたとしても、それは先方には関係のないことです。そのような状況下で、何が最善策か、どうすれば迅速に解決できるかを、僧侶同士が連携して共有できるのが当寺の強みであると考えています。

幸いなことに、現在までこのような緊急対応が必要となったケースは一度もありません。そして、今後もそのような事態が発生しないことが望ましいと考えています。

まとめ

遅刻は、社会人としてのマナー違反であると同時に、お寺(組織)の信用や信頼を大きく損なう行為です。「忙しかったから」という言い訳は通用しません。

信用や信頼を失うのは一瞬ですが、一度失った信頼を取り戻すには、失った時の何倍、何十倍もの時間と努力が必要となります。

そのため、当寺では所属僧侶への到着確認の徹底を通じて、日々の信頼を積み重ねる努力を続けているのです。最終的な責任は住職である私にありますが、所属僧侶には、目の前の法務一つひとつに全力を尽くし、依頼してくださる方々のために最善を尽くしてほしいと願っています。

正蓮寺住職

当寺院の取り組みや住職の考えを発信してまいります。

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