お寺の見える化(透明化)
お寺って普段は何をしているのですか?
時折、このような質問を受けることがあり、皆様はお寺のことをご存知のようで、実はあまり知られていないと感じています。
葬儀や法事については理解されていても、「それ以外に何をしているのだろう?」と疑問に思われる方は少なくありません。
お寺は、法務以外の活動や内部事情を一般の方々に公開する機会が少ないため、どのような場所なのかが案外知られていないのが現状です。
ホームページなどで表面的あるいは大まかな情報は目にすることができても、お寺の内部のことはなかなか見えてこないでしょう。
私も僧侶でありながら、他のお寺のことはほとんど知りません。
お寺は、お布施の件を含めてブラックボックス化されている部分が多く、それが皆様の疑問や不信感につながっていると考えています。
しかし、お寺の全てを無差別に公開することが透明化ではありません。「どんなお寺なのか」「どんな住職なのか」「お布施はどのくらいなのか」といった基本的な情報を開示していくことが重要です。
以下に、当寺の透明化への取り組みをご紹介します。
住職の顔を公開する
これは基本的なことですが、お寺の顔である住職の顔写真を公開していないお寺も未だに多く見られます。
顔を公開するか否かは個人の自由ですが、どんな住職なのか顔もわからないお寺に、新規の方が依頼される可能性は低いと言わざるを得ません。
皆様に安心してご依頼いただくためには、代表者の顔を公開することは不可欠であると考えています。
「どんな顔をしているか」だけでなく、「どんな住職なのか」という人となりは、顔や表情からも伝わるものです。
ホームページだけでなくSNSでも同様に、素性を明らかにしてお寺の活動や住職の考えを発信していくことで、思いがけないご縁に繋がることがあります。
これもまたお寺の透明化であり、最終的には皆様からの信頼に繋がります。
新たなご縁を求めているお寺であれば、住職の顔を公開することが、お寺の透明化に向けた第一歩になると考えています。
どんな読経かを発信する
「真宗大谷派ではどんなお経を読むのだろう?」
このように、全くご存じない方や、聞いたことがない方もいらっしゃるため、どのようなお経を読むのかを発信する意義を感じています。
僧侶は基本的に毎日読経をしています。
その読経の様子や音声を公開することによって、どのような読経なのか、住職はどのような声なのかを知っていただくことができます。
ここで重要なのは、読経の巧拙ではありません。「心がこもった読経なのか」「どのような雰囲気で読んでいるのか」といった点が伝わることが大切だと考えています。
お寺の透明化を進めるのであれば、住職の読経を公開することは、皆様に安心感を与える上で有効でしょう。
お布施を公開する
お布施の公開については、実践できるお寺とそうでないお寺があり、賛否両論あることは承知しておりますが、皆様が最も気にされることの一つであることは間違いありません。
直接問い合わせれば教えてもらえるお寺もあるかと思いますが、当寺ではホームページで「お布施目安一覧」を公開しており、原則としてオープンにしています。
これは、お布施の透明化と公平性を意識した取り組みです。
お布施の目安を公開することで、経済状況に関わらず、皆様に対して公平な対応をすることができます。
「経済的に困窮している人はどうするのか?」というご指摘もいただきますが、もちろん個別の事情には柔軟に対応し、ご相談に応じています。
あくまで、最初にお寺側からお布施の目安を提示し、皆様にじっくりと検討いただくプロセスが重要だと考えています。
例えば、飲食店でメニュー表(価格表)がないのに注文するのは、誰でも不安になるでしょう。
繰り返しになりますが、皆様はお布施の金額が分からないからインターネットで検索するのです。
どれくらいの費用がかかるのか分からないというのは、皆様にとって大きな不安や心配の種となることを、逆の立場になって考えれば理解できるはずです。
まとめ
当寺では、ホームページで私である住職の顔はもちろん、他の僧侶の顔写真も公開しています。
また、YouTubeチャンネルでは、私自身の読経の様子も公開しております。
これからも積極的に寺院の透明化に取り組み、「どんなお寺なのか」「どんな活動をしているお寺なのか」「どんな住職なのか」という情報を少しでも多くの方にお伝えできればと考えております。