寺院運営

当寺院の給与体系を成果報酬型にしている理由

当寺院の給与体系は成果報酬型

お寺は資本主義経済の中で活動している限り、運営資金というものは必要であります。

もちろん私たち僧侶にも日々の生活があるため「お金」は必要であります。

お寺の修繕や改修にはある程度の貯蓄が必要であり、当寺では所属している僧侶の生活を保障する責任があります。

お寺もきれいごとだけでは生活していけない実情というものがあります。

僧侶がお金の話をするのはいかがなものかと考えましたが、今回は当寺の給与体系についてお伝えしたいと思います。

成果報酬型の導入

当寺では私住職は固定報酬となりますが、他の所属僧侶は成果報酬型の給与体系をとっております。

お寺というとブラックなイメージが付きまとい、「僧侶だから修行と思ってありがたく働け」みたいな風潮があるのは事実であります。

雇用主も「僧侶にこれだけ給与を払っているのだから、働けるだけ働いてもらう」というブラックな考えに陥りがちです。

しかし当寺では、働けば働いただけ収入を得られる成果報酬型を取り入れております。

もちろんこれにはメリットとデメリットがありますが、当寺ではメリットが上回ると判断して導入しております。

成果報酬型のメリット

モチベーション向上に繋がる

成果報酬型は仕事をやればやっただけ収入に跳ね返るシステムです。

そのため所属僧侶の「モチベーション」や「やりがい」を非常に高く保つことができます。

僧侶のモチベーションというものは皆様との応対に直接関わってくるため、モチベーションの向上対策は住職の重要な役割であります。

やはり僧侶がモチベーション低くて嫌々法務をやっていたら、皆様に対してもそういった態度が出てきてしまうと思います。

それに所属僧侶にもそれぞれ家庭があり、家族を養っていく必要があります。

当寺では常に不安を抱えながら活動してもらうより、伸び伸びと安心して働ける環境を目指しております。

そのため僧侶のモチベーション向上は、お寺の運営をしていく上でもっとも気を付けていることでもあります。

良い人材が集まる

「薄給でも勉強と思って働けるからやりがいがあるぞ!」みたいな考えでは良い人材は集まりません。

お金がすべてではありませんが、割に合わなくて辞めていく僧侶は周りのお寺でもよく見てきました。

お寺にとって優秀な人材の流出ほど痛手なことはありません。

当寺は優秀な所属僧侶のおかげで成り立っていると言っても過言ではありません。

良い人材が集まると評判が評判を呼ぶように、皆様から次々と法務のご依頼をいただけるようになります。

「次もぜひ葬儀の際の僧侶でお願いします」とご指名をいただけると、さらにその僧侶のモチベーションは上がります。

お寺にとってリピートのご縁が増えるのはとてもありがたいことです。

それは最終的にお寺の信用や信頼に直結してきます。

成果報酬型のデメリット

法務がないと収入に結び付かない

当たり前ですが、成果報酬型は法務(仕事)がないと収入に結び付きません。

そのため固定報酬と比べると、安定性に欠けるということはあります。

ただそこは私住職の舵取りになってきまして、まずはとにかく結果を出すことであります。

結果を出すとは、皆様から法務のご依頼やリピートをいただけるようにすることであります。

そのため当寺では積極的にネットを使って情報発信をし、皆様とのご縁づくりを日々進めております。

さらに皆様に「便利・安心・快適」をご提供できるよう日々改善しております。

「あれこれ言う前に結果を出す」

お寺(住職)は理屈や理想を語りがちになりますが、とにかく結果を出す。

結果を出せば所属僧侶はついてきてくれます。

お寺も資本主義経済の中で成り立っている限り、結果を出さなければ運営はできません。

オーバーワークに気を付ける

やはり長時間労働問題も気を付けないといけませんが、当寺では働く時間と拘束時間はおおよそ決まっております。

僧侶という特殊な環境ではありますが、僧侶の法務はある程度決まった拘束時間というものがあります。

当寺の所属僧侶には法務の拘束時間以外は基本的に縛り付けておりません。

さらに分散労働で同じ僧侶ばかりに働いてもらわない(偏らない)システムをとっています。

急な依頼が入ったり、休みが不定休(事前申告制)ということが唯一の欠点かもしれませんが、当寺の所属僧侶には理解してもらっております。

まとめ

寺院運営でもっとも避けたいことは、大切な人材を「仕事量(法務)が減ったから辞めてもらう」ということです。

これは優秀な人材が流出してしまうのと同時に、他の僧侶へのモチベーションにも大きく関わってきます。

「次は自分の番かも」と他の僧侶を不安にさせることにも繋がります。

どうしても寺院運営が行き詰まれば可能性はゼロではありませんが、それは自分の給与をゼロにしてでも阻止したいのであります。

お寺に限らず企業にとって人材の確保というのはとても大切なことなのです。

そのため私の役割は、結果を出して法務の量を安定的に確保することであります。

私が積極的に広告塔となって法務(ご縁)を獲得し、所属僧侶にもたくさん動いてもらうこと。

そのため当寺ではこのようなネット発信にも力を入れたり、自ら顔出しをして前へ出て、新規の方とのご縁を増やしているのであります。

お寺を維持発展させていくために重要なものは以下の3点と考えております。

・優秀な人材の確保
・法務の獲得
・寺院の改修改善

この優秀な人材の確保というのは、一朝一夕にできるものではありません。

僧侶の働きやすい環境というものは、最終的に皆様との関係や繋がりにも大きく影響してきます。

当寺では常に僧侶が働きやすい環境を心掛け、日々皆様とのご縁作りを進めていきたいと考えております。

正蓮寺住職

正蓮寺住職

当寺院の取り組みや住職の考えを発信してまいります。

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