お坊さんあるある【夏場編】
お坊さんも人間です。
皆様と思うことや感じることは同じであります。
お坊さんなら一度は経験があるであろう「あるある」を僧侶目線でお伝えします。
扇風機でローソクの火が消える
夏の季節になると悩まされる僧侶は多いと思います。
暑い夏にご自宅でのお参りで私たちに向かって扇風機を掛けてくださるのは大変ありがたいことです。
しかしその扇風機でお仏壇のローソクの火が消えてしまうことがあります。
読経が始まってから背後で火が消えないよう扇風機の調整に悪戦苦闘しておられる方もよくいらっしゃいます。
まだ扇風機を掛け続けてくだされば良い方で、火が消えてしまうからと扇風機をOFFにされてしまうと僧侶はもう大変。
その瞬間から汗が吹き出し、読経が終わった頃にはランニング後のような顔になっています。
でも皆様気を遣ってくださっているわけですから、それだけでありがたいことです。
扇風機でローソクの火が消えない対処法としまして、扇風機を僧侶の背後からではなく、横や斜め前から掛けてくださると火は消えにくくなります。
ただ横や斜めに置けない場合もあるため、後ろの場合でも扇風機を弱風にして少し頭を下げてくだされば消えにくくなります。
もし扇風機の配置がわからなければ、遠慮なく「扇風機の位置はここでいい?」と聞いてくだされば、こちらで消えにくい位置へ移動させていただきます。
蚊との攻防
夏場にご自宅のお仏壇前で読経中に蚊が飛んでくることがあります。
僧侶の法衣は基本的に黒色のため、蚊が寄ってきやすいのです。あと汗をけっこうかいているからというのもあると思います。
僧侶は胸の前でお経の本(折り本)を両手で持っているのですが、蚊は無防備箇所である手や顔周りを目掛けて襲ってきます。
耳の辺りを飛ぶあの嫌な「ぷ~ん」と聞くと、正直もうお経どころではなくなってきます。
「僧侶なら蚊くらい気にせずどっしり構えよ」と自分の心で言い聞かせつつ、蚊を見失うと気になって仕方ありません。
私は何度も経験ありますが、ちょうど視界に入りにくいお経本を持っている手の裏側(甲)にとまることがあります。
気付かずにいるとその後が大変なのです。
手が痒くてお経本を閉じたくても読経中なので閉じられない状況に陥り、我慢と痒さの長い闘いになります。
蚊なんて普通に叩いて潰せばいいんじゃない?
とお思いかもしれませんが、読経中なので蚊くらいでお経をストップするのはちょっと気が引けます。
さらに僧侶が蚊をバチーンと叩いて潰すのはもっと気が引けるのです。
なぜなら殺生の行為だからです。
気にしない僧侶もおられるかもしれませんが、気が小さい私はせいぜい振り払う程度にとどめて、とまらないようにすることしかできません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
僧侶は何気なく涼しい顔でいつもお経を読んでいるわけではありません。
皆様とまったく同じで、皆様が暑ければ僧侶も暑い、皆様も蚊が嫌なら僧侶も嫌です。
夏場のお坊さんあるあるのご紹介でした。